ケトコナゾールはローションとクリームに分かれる

脚にクリームを塗る女性

ケトコナゾールは、水虫やカンジダ症、脂漏性皮膚炎などの治療に広く使用される抗真菌薬です。これらの病気は、真菌というカビの一種が原因で引き起こされる皮膚病ですが、ケトコナゾールは真菌の細胞膜の合成を阻害することで抗真菌作用を発揮します。ケトコナゾールの剤形には、クリームタイプとローションタイプがありますが、これらはケトコナゾールの配合量は変わらないため、基本的にはどちらを使用しても治療効果は期待できます。しかし、発症部位や症状、患者の使用感などに応じてクリームタイプとローションタイプを使い分けることで、治療効果を高めたり、患者の負担を少なくすることが可能です。

クリームタイプのケトコナゾールの特徴としては、患部への刺激が少なく、塗布しやすいことが挙げられます。刺激感が少ないため、足の指の間がジュクジュクする水虫や、水疱がつぶれてしまった水虫などに適していますが、基本的にどのような症状でも使いやすいタイプです。一方、ローションタイプは、クリームよりも刺激感が強いものの、皮膚に浸透しやすいという特徴があります。そのため、足の指の間がカサカサした水虫や、水疱がつぶれていない水虫には適しているものの、患部がジュクジュクしていたり、炎症を起こしている場合は、刺激感が強く皮膚に大きな負担がかかるため、ローションの使用は控えた方が良いでしょう。

また、ケトコナゾールには、水虫治療だけでなく頭部のフケの改善効果も認められています。頭部にフケが大量に発生する原因として考えられるのが、頭部に白癬菌が感染して発症する頭部白癬や脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は、発赤やかゆみ、大量のフケなどの症状が現れるのが特徴で、真菌の一種であるマラセチア菌が頭部で増殖することで発症すると考えられています。ケトコナゾールは、脂漏性皮膚炎の治療に有効な唯一の抗真菌薬として知られており、マラセチア菌に対しても抗真菌作用を発揮することで諸症状を改善します。頭部にケトコナゾールを使用する際は、クリームよりもローションを選択しましょう。特に、髪が長い人がクリームを使用すると、患部に上手く塗布できずに治療効果が低下するため注意が必要です。

また、病院によっては、シャンプーにローションを混ぜて使用するように指示されることもあります。これは、シャンプーに混ぜることで患部に浸透させやすくするためですが、実際に海外ではケトコナゾールが配合されたシャンプーが販売されています。自身でシャンプーとローションを混ぜる場合は、シャンプー100mlに対してローション剤1本(10g)を目安にして、しっかり振って混ぜ合わせてから使用しましょう。特に、脂漏性皮膚炎と診断された場合、1日2回使用する必要があるため、そのうちの1回をシャンプーで済ますことができれば、治療の負担を少なくすることが可能です。

このように、クリームとローションは、発症部位や症状などに応じて使い分けることで、治療効果を高めたり、治療に要する負担を軽減することが重要です。そのため、どちらのタイプが自身に合っているのかを十分に考慮した上で、最適と判断したほうのタイプを使用しましょう。

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